子どもへのまなざし (福音館の単行本)

子どもへのまなざし (福音館の単行本)

子どもへのまなざし - 佐々木正
「近所の人に日常の小さなことも、簡単に頼めるのがいいのですね。頼まれなくてはいけないのです。頼むということは、結局、相手から頼まれる用意がありますよということなのですから。」
「せめて親しい何家族かといっしょに、遊園地や動物園に子どもを連れて遊びにいくことぐらいは、自然な気持ちでできないと、子どもを社会人に育てるための育児なんか、できないかもしれません。」
「相手が私のことを、どう思っているかということは、私が相手をどう思っているかということと、ほぼ同じことなのです。これは非常にわかりやすく重要なことです。」
「人の善意を感じにくくなったということは、自分が善意をなくしてしまったということですから、どんどん孤独になって、生きていることが苦しくなりますね。」
「本来、善意のない人なんかいないのだ、そう思って生きているのが、本当は幸せなのだと思います。」
親が子どもにたいして、「まだあそこがだめだ、ここがだめだ、あるいは、ここがこうなればいいな、あそこがああなればいいな」と思っているうちは、子どものほうだっておなじように、親にたいして不足だらけに思っているわけです。」
「口でやる教育はささけて、心とかしぐさとか物腰、行動で教育してくだされば、それはすばらしいことなのです。私も自分をふり返ってみて思いますが、自分でできない分だけ口うるさくなっているのです。口うるさいというのは、そういうことですね」
「友人関係をいっぱいもつというのは、結果として広く、浅くなるのですが、小学校時代の子どもには、それがいちばん健康なことなのです。」
「とてもたいせつなことは、くり返しそのことを伝え教えながら、本当にあなたがここで上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちですね。そして、その時期は自分で決めなさい、自分で決めればいいのですよといってあげることです。」
「教えるべきことは子どもに、なんでも伝えていきますが、子どものなかに、そのことを積極的に実行しようとする気持ちや機能が熟してくるのを、子どもまかせにして待っていてあげることなのです。」
「そしてその時期は、子どもに決めさせてやる、自分を律することができるときを、子どもに決めさせてあげるというのがたいせつなことなのです。」
「卒園の資格というものがあるとすれば、それは仲間といっしょに楽しく遊べること、ひとりで遊ぶよりは仲間と遊んだほうが何倍も楽しいという習慣、いわば、そういう能力を子どもが身につけることだと思います。」
「自分の子どもがちゃんと育っているということは、自分の子どもといっしょに、育ち合ってくれる子どもたちがたくさんいることなのです。こういうことにたいする認識と感謝を親がもつこと」
「いま、この瞬間を、幸せにしてあげよう、その積み重ねが、この子の幸せになるのだという育て方がいいのです。」